データマスキング · 個人情報保護法

SAPのテスト環境に、実在の個人情報を残さないデータマスキング

ECC、S/4HANA、SAP HANAのコピーに含まれる個人情報や機密データを、テスト担当者やSIer、海外拠点、AIエージェントの目に触れる前にマスキングします。置換値は、すべてのテーブルと連携システムで同じです。

マスキングの対象

SAPの個人情報は、マスタデータ、それを参照する伝票、そして自社で追加したアドオンテーブルにあります。

データ主なSAPテーブル代表的な項目
得意先KNA1, ADRC, ADR6, BUT000氏名・名称(漢字・カナ)、住所、電話番号、メールアドレス
仕入先LFA1, LFBK, ADRC氏名・名称、住所、銀行口座情報
従業員PA0002, PA0006, PA0008, PA0009氏名(漢字・カナ)、生年月日、住所、給与、口座情報
販売・会計伝票VBPA, BSEG, ACDOCA一回限りの得意先の住所、明細テキスト、得意先・仕入先への参照
自社のデータアドオン(Z)テーブル、追加項目開発者が追加したものすべて。推測ではなく、スキャンで見つけます

フィールドごとの5つの扱い方

各フィールドには、それを使う業務プロセスを壊さずに保護できるルールを適用します。

マスキング

同じ種類の自然な値に置き換えます。氏名は氏名に、住所は住所に。

スクランブル

列の中で値を入れ替えるので、分布や合計は現実的なままです。

生成

元の値を一切残すべきでない項目には、合成した値を作ります。

形式を保持

郵便番号や口座番号などは有効な形式を保つので、SAPのチェックを通ります。

そのまま残す

国、通貨、会社コードはそのままにします。価格決定、税計算、転記のロジックを動かしているからです。

難しいのは、一貫性です

テーブルごとに別々にマスキングすると、結合が壊れます。受注の得意先がマスタの得意先と一致しなくなり、テストが本来とは別の理由で失敗します。Synthesizedは元の値ごとに置換値を1つ決め、その値が現れるすべての場所に同じ置換値を適用します。

元の値
山田 花子
  • KNA1-NAME1佐藤 美咲
  • ADRC-NAME1佐藤 美咲
  • BUT000佐藤 美咲
  • CRMの担当者佐藤 美咲
例:1人の得意先に1つの置換値。現れるすべての場所で同じです。

ECC、S/4HANA、SAP HANAでの注意点

SAP ECC

得意先・仕入先マスタ(KNA1、LFA1)は氏名や住所を直接持ち、中央住所テーブル(ADRC)にも保持されます。日本では漢字・カナなど複数の住所バージョンを持つことが多いため、すべてを同じ人物として揃えてマスキングする必要があります。

S/4HANA

ビジネスパートナー(BUT000)が中心になり、得意先・仕入先統合(CVI)によってKNA1やLFA1と同期されます。両方を同じ値でマスキングします。

SAP HANA

HANAの組み込みデータマスキングは、クエリ時に一部のユーザーから値を隠しますが、保存されたデータは変わりません。テスト用のコピーでは、保存された値そのものを置き換える必要があります。

SAPデータマスキングに関するよくある質問

マスキング、スクランブル、合成データの違いは何ですか?

マスキングは値を自然な代替値に置き換え、スクランブルは実際の値を列の中で入れ替え、合成データは元の値を一切コピーせずに生成します。多くのSAPテスト環境では、フィールドごとにこの3つを使い分けます。

マスキングしたデータでもSAPのチェックを通りますか?

郵便番号や口座番号など、SAPが検証する項目は有効な形式を保つので、伝票は問題なく転記されます。

アドオン(Z)テーブルもマスキングできますか?

はい。スキャンでアドオンテーブルや追加項目の個人情報を見つけ、標準テーブルと同じようにルールを適用します。

マスキングしたデータは、個人情報保護法上の個人情報に当たりますか?

マスキングしただけで個人情報でなくなるとは限りません。対応表などで元に戻せる場合は個人情報や仮名加工情報として扱われ、匿名加工情報には法令上の加工基準があります。テストデータの位置づけは、自社の個人情報保護の担当部門が判断します。

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まずは30分のヘルスチェックから。適合すれば10日間の検証で、標準テーブルとアドオンテーブルを含むQA環境1つをスキャンし、お客様ご自身のデータでマスキングします。

2026年10月更新

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